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  アメリカ歴史散策(その8)

         日米物価比較
                              
 今から30年余り前までは、一般の人にとって海外旅行は高嶺の花だった。 その頃、私が勤務した会社では、海外出張者の名前が社内報で報じられていた。 当時は、1ドル360円の固定相場制がとられていた。  1973年に変動相場制に移行し、1995年には1ドル80円まで円高が 進行した。日本の労働者の所得も伸び、20年余り前からは、誰でも海外旅行 を気軽に楽しめるようになった。   それでは、日本人はアメリカ人よりも生活に余裕があるのだろうか。 少し物価比較をしてみよう。 2002.07michigan (0).jpg  左の写真は、ミシガン州のある町のショッピ ングセンターでのスナップ(2002年)であ る。 台の上にとうもろこしが一杯並べられ、6本1 ドルで販売されていた。 10年位前、シカゴ郊外で見たときも、6本1 ドルで販売されていた。  日本では1本150円前後だから、1ドル 120円として、7分の1以下である。    缶ビールは、安いものでは半ダース2‐3ドル位で売られている。 この10年ほどで変化は無いようである。 日本ではこの数年で大分アメリカに近づいてきたが、まだアメリカの方が半額 以下である。味は別として。  生活で最も大きな格差を感じるのは住宅である。 ミシガン州デトロイトの北東100キロほどに、クリントンタウンシップとい う町がある。2002年夏に訪問したときのことである。建設中の住宅を見学 する機会があった。 2002.07michigan(1).jpg  物件の規模(ざっと見た感じ):  ・土地は200坪位  ・建坪は1、2階で200平米位  ・70平米位の地下室付き  ・車庫は2台駐車可  ・1、2階に大きな浴室付き  ・裏庭に小さなプール  値段は21万ドル(約2,500万円) 2002.07michigan (3).jpg ←広い地下室    ↓暖炉のあるリビング  2002.07michigan (2).jpg  10年余り前、イリノイ州のシカゴ郊外にある同僚の家を訪ねたことがある。 土地が300坪ほどの中古住宅で、7万ドル(当時1ドル110円として、約 770万円)ということだった。その同僚は、部下が15万ドル(約1,65 0万円)の新築住宅を購入したことをうらやましがっていた。 私は、円換算の額面では年収が半分以下の彼らが、我家の6倍以上の敷地に住 んでいることがうらやましかった。  ミシガンでの売り出し価格2,500万円は、やや高い感じがした。 もちろん、アメリカの住宅価格は州により、また地域により異なるので、単純 に比較することはできない。私を案内してくれた人は、価格が高騰していると 言っていた。  現在、借金漬けのアメリカが好景気を装っていられるのは、不動産バブルが 大きな要因だとも言われている。この5年間で、アメリカ各地の住宅価格は大 幅に高騰しているようである。それでも、日本より割高になることはないだろ うが、貧富の格差を一段と拡大する深刻な状況といえよう。  どうやら、生活実感としては、アメリカは日本よりも物価が半分以下である。 例えば、アメリカで年収500万円の人は、日本なら年収1,000万円以上 の生活ができるということである。 円の貨幣価値は、依然として1ドル360円程度なのかも知れない。 ------------------------------------------------------------------
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